下肢切断のリスクと血糖コントロール

下肢の虚血のためカテーテルによる血管拡張療法を受けたひとの予後が何で変わるかを検討した。278名が2003年から2009年の間に血管拡張療法を受けた。糖尿病の患者は71%で平均のHbA1cは7.0±1.4%だった。観察期間は90±72週で(つまり2年弱)48名(が下肢切断、89名(約1/3)が死亡した。死亡のリスクに影響するのは年齢、日常生活の障害度、透析、アルブミン値だった。下肢切断には糖尿病とHbA1cが有意に影響した。HbA1cが6.8%以上の人は6.7%以下の人に比べて下肢切断のリスクが2.9倍だった。
糖尿病・血糖が影響するのはおそらく下肢の感染が影響するからで、全身的な動脈硬化はいまさら血糖をよくしてもあまり変わらないので血小板抑制と禁煙をしっかりやるのがキモだろう。そんなになる前に血糖を改善するしかないのだ。痛くもかゆくもないうちに。
Takahara M., Kaneto H. et al. The influence of glycemic control on the prognosis of Japanese patients undergoing percutaneous transluminal angioplasty for critical limb ischemia. Diabetes Care 2010; 33:2358-2542