困ったら開けろ14

「今日はちょっとかわった品物を写真に撮っていただきますよ。」
「なんですかこれ?」
「何に見えます?」
「エビが2匹向かい合っているような模様の入った石ですね。天然のものですか?」
「実はこれ化石なんです。」
「化石?そんなレアなもの収集する人っているんですね。」
「まあ、こういう場所柄かなり凝った趣味をお持ちのお客様もいらっしゃいますからね。この化石はそれこそエビに見えるのでなんとなくめでたそうな柄というので飾られていたものですよ。」
「エビじゃないんですか?」
「よく見るとしっぽとか足がないでしょ?」
「それはそうですが、化石だからどこかでとれたのかなって。」
「フフフ。実はこれはアノマロカリスの触手なんですよ。」
「えっ?あのカンブリア代の捕食者ですか?」
「よく御存じですね。そういえば宮崎監督のポニョの映画にもそれらしいのが出ていましたから最近ではわりとポピュラーかもしれませんね。」
「これが触手とするとかなり大物ですね。」
「中国では全長2mのものが出たとも言われていますからね。アノマロカリスというのも実は奇妙なエビという意味で、初めはエビに間違えられていたんですよ。」