SIRT1がADのもとになるペプチドを減らす

Donmez G, Wang D., Cohen D. and Gurarente L. SIRT1 suppresses beta -amyloid production by activaing the alpha-secretase gene ADAM10. Cell 2010; 142: 320-332
アルツハイマー病の原因はAPPタンパクがβセクレターゼで分解されてできるAβペプチドがアミロイドを形成することである。βセクレターゼの変わりにαまたはγセクレターゼで切断するとAβができない。タンパク脱アセチル化酵素のSIRT1はレチノイン酸受容体のRARβの一部を脱アセチル化して転写を活性化する。これによりαセクレターゼの遺伝子ADAM10の転写が増える。マウスの脳でSIRT1の発現を増やすとマウスのアルツハイマー病モデルで脳のAβペプチドが減少した。逆にSIRT1を減らすとAβが増えた。SIRT1によるADAM10の増加はダメージを受けた神経細胞の修復に関係するNotch経路の活性化にも貢献した。
SIRT1はブドウの皮などに含まれるレスベラトロール作用点といわれているタンパクである。