裸足で走れ

「Born to Run」によると、高いランニングシューズをはいて走るほど故障が増えるとの研究成果が出ていて、裸足か、底の薄い安い靴のほうが安全なのだという。昔の小学生は運動会のときに「すっぽん足袋」という底がざらざらの布でできた足袋で走っていた。素足が最も早いというのが昔の日本の感覚だったのだろう。伊集院静「海峡」には地元の有力者から新しい靴を送られた走者がひどく靴擦れして遅れてしまうが、もらった靴を投げるわけにいかず惨敗する話が出てくる。

海峡―海峡・幼年篇 (新潮文庫)

海峡―海峡・幼年篇 (新潮文庫)

同じく「Born to Run」によると、進化人類学的に人類は項靭帯など走ることに適応した特長がホモ・エレクトゥスの時代から現れているという。直立して走ることが走行中の呼吸の自由度を増してアドバンテージになったのだという。これにより人類は長時間獲物を追跡することで獲物を疲れ果てさせて狩ることが可能になったのだという。ウソのような話だがアメリカで人と馬がともに参加するレースがあり、十分な距離があれば人が優勝できるのだという。スティールボールランSBR)のサンドマンの話はあながち漫画の世界のお話ではないのだ。荒木飛呂彦はこのことを知っていたのだろうね。
スティール・ボール・ラン (1) ジャンプコミックス

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