EDと死亡率

勃起障害(ED)は血管の内皮の機能を反映するため、血管が傷んでいることの重要な指標になる。アンギオテンシン受容体阻害薬(ARB)のテルミサルタン(ミカルディス)とアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)のラミプリル(日本未発売)使用患者でEDが心血管疾患の予測に役立つか検討した。心血管イベント抑制効果を調べる研究(ONTARGET)において1549名の患者が二重盲検法で偽薬、テルミサルタン、ラミプリルあるいは両方に割り振られ、同様にTRNSCEND研究では373名の患者がテルミサルタンまたは偽薬に割り振られた。EDは最初、2年後、テストの最終時に調査された。EDは全ての理由による死亡を予測(ハザードレシオ1.84 95%信頼区間1.21-2.81)および心血管死亡を含む一次アウトカムを予測した(ハザードレシオ1.42 95%信頼区間1.04-1.94)。一次アウトカムの内訳で有意差を認めたのは心血管死亡、心筋梗塞で、心不全の入院、脳卒中は有意差に至らなかった。テルミサルタンとラミプリルはEDを改善も悪化もしなかった。
Böhm M, Baumhäkel M et al. Erectile dysfunction predicts cardiovascular events in high-risk patients receiving telmisartan, ramipril or both. Circulation 2010; 121:1439-1446