ルービックキューブ

フィクション
別れるとき彼が記念にくれたのがルービックキューブ。6面に別々の写真を貼り付けてある。何気ない教室のスナップ、カフェで雑談しているところ、いっしょに行ったライブ、夕暮れの町、旅行の写真、記念写真。それをものすごい速さでぐしゃぐしゃに混ぜ合わせて私の手のひらへポンと。それから3年、建築士の夢も見えてきた。今なら30秒で6面全部そろえられる。そろそろ電話してみてもいいころかと思う。