鉄の春

オホーツクの流氷が溶けると閉じ込められている鉄イオンが放出されて植物プランクトンが元気になる。それを食べている動物プランクトン(たとえばクリオネ)も元気になるだろう。鉄はミトコンドリアの電子伝達系のシトクロームに必須なので、いかに植物といえど酸化的リン酸化でエネルギーを得ている生物はこれがないとエネルギー効率が上がらない。かつてスノーボールアースと化していた地球では生き残りの生物がひっそりと耐えている間に海中に蓄積した鉄イオンによって温暖化とともに植物プランクトンが大活性化して酸素濃度を一気に押し上げたのだとか。カンブリア紀の大型生物の爆発も酸素濃度の上昇によるコラーゲン合成開始が一役買っているのだとか。まあ、科学的な話は新たな発見があるとひっくりかえるので、そういう話もありました、というところだが。