RAGEのshedding(細胞外部分の放出)はADAM10またはMMP9による

Zhang L、Bukulin M et al. REceptor for advanced glycation end product is subjected to protein ectodomain shedding by metalloproteinnases. J Biol Chem 2008;283:35507-16
糖化終末産物(advanced glycation endoproduct, AGE)の受容体RAGEはmRNAのスプライシングの違いにより細胞膜貫通部分を持たない分泌型(esRAGE)がある。細胞膜に存在するRAGEはPMA刺激後カルシウム依存性のPKCの作用を介して細胞膜直上の分解を受け、細胞外部分が放出される。タンパク分解酵素活性化薬のAMPAはより効率的に放出させる。RAGEはアルツハイマー病の原因であるアミロイドβペプチドの神経細胞内への取り込みに関係しているので、RAGEの分解と細胞外部分の放出(shedding)はアルツハイマー病の治療に使える可能性がある。タンパク分解酵素阻害薬のGM6001により放出される可溶性RAGE(sRAGE)が減少する。sRAGEはイコールesRAGEではなく、分子量がいくらか小さい。esRAGEにはスプライシングの違いにより332-347のアミノ酸が異なっている。マウスのsRAGEは330までで”PEAG”のところで終わっているがヒトのsRAGEも特異的抗体を作って調べるとほぼ同様のところで切れているらしい。細胞膜から9アミノ酸上である。切断に関係している酵素亜鉛を含むADAM10とMMP9らしく、ADAM17とMMP2は関係ない。切れた後細胞膜に残った部分(RAGE-CTF)はさらにγセクレターゼにより膜内の分解を受ける。γセクレターゼの阻害薬DAPTを使うとRAGE-CTFが増えることが証拠だ。