インスリンの作用を邪魔するユビキチン化

Wang Y, Nishina PM and Naggert JK. Degradation of IRS-1 leads to impaired glucose uptake in adipise tissue of type 2 diabetes mouse model TALLYHO/Jng. J Endocrinol 2009;203(1):65-74
TALLYHO/Jngマウス(THマウス)は軽度肥満でインスリン抵抗性のマウスモデルである。グルコース輸送体のGLUT4の細胞膜への輸送が正常マウスに比べて低下している。インスリンシグナルを伝えるIRS-1タンパクを調べるとS307のリン酸化が増えておりこれをリン酸化するJNK1/2の活性も増えていた。IRS1のmRNAは減っていないがタンパクが減少していて、プロテオソーム系でタンパク分解を促すユビキチン化が関係していると考えられる。実際ユビキチンの抗体で免疫沈降してIRS-1の抗体でブロットするとトータルのユビキチン化が増えている。また免疫染色でIRS-1がプロテオソームと一緒にあることが判明した。SOCS1はIRS-1のユビキチン化を増やすがTHマウスではSOCS1が増えていた。