バーチャルオフィス

「おはようございます。ってええ?」
「何を驚いている?」
「何をって、あのー、部長でよろしいでしょうか?」
「今週からバーチャルオフィスに出社してアバターで仕事していいことになったのは覚えてるよね?」
「ええ、たしかに通勤は楽になって助かりましたけど。」
「君はアバターつくったことないのかい?デフォルトの社員1のままだから”虚構新聞”の社主みたいな顔だよ。」
「すみません。ちょっと、他の社員の出方を見てから作ろうかなーって思いまして。」
「まあいいや。今週中につくればいいから、社の内外で好感度のいいやつを選択してくれよ。」
「かしこまりました。ところで部長のそのお姿は”攻殻機動隊”の草薙隊長そっくりに見えるんですが、よろしいでしょうか?」
「何言ってるんだい。アバターなんだから性別関係なしで仕事ができそうに見えればいいのさ。しっかりしてくれよ。」