ほしいものがない?

ほしいものがない、という人が増えてきて企業の業績に深刻な影響を与え始めている。企業が営々たる努力で開発した新商品に一顧も与えず「私はもう今あるもので充分」と唱える輩が増殖しているのだ。これに対して経済産業省では「虚栄」と「物欲」を刺激するプロジェクトチームを立ち上げた。手始めに都内の有名大学に「虚栄・物欲学科」を新設して虚栄のメカニズムとこれを物欲へ誘導する方法の研究に着手した。一つの解決方法としてモノに頼る消費は資源消費や空間的限界で飽和点に近づきつつあり、データや地位、ステータス、SNS上の評判といった形のないものの消費が次世代の消費をリードするとしている。企業業績にむすびつけるため従来のものづくり企業にも製品の背後に負荷されたストーリーの積み上げが必要であり、『匠の技』的な説明を開発することが求められている。