i子

i子が転校した学校は私立の女子高だった。クラスには暗黙の序列があり1位から40位まで人気と魅力によってきめられていた。誰が決めるわけでもないがクラスの二人が出会うと自然に「この子は私より序列が上か?」という探り合いが始まり負けた方が身を引くという形で決定されていた。そこへ投入されたのがi子だ。前に転校してきたπ子もなかなかの逸材だったが超越数とはいえ実数の仲間である。π子は3位と4位の間のどこかに自然に落ち着いた。だがi子の評価は「キモイ」と「ほかにない魅力がある」に分かれた。というわけで彼女は実数軸とは垂直な別の軸の上に配置されることになった。ゆえに虚数子=i子である。