本当に増えたのか?ー残念だが本当だ

岡山大学の研究者が福島で増えた小児の甲状腺がん被爆のためだと結論付けたという。事故前の日本の頻度の50倍に上るという。しかしそもそも事故前に小児の甲状腺をしつこく細かく検査した例がないのじゃないか?甲状腺の乳頭がんは進行の遅いがんでしつこく検査すればかなりの頻度で見つかるはず。韓国でもドックでルーチンに甲状腺エコーを取り始めたら急に甲状腺がんが増えたとかいう報告がなかったか?(ソース調べてない。悪しからず。)つまりよくよく調べたいと思ってしつこく調べると疑わしいところは見つかるという例では?

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オープンのpdfだったので読んでみると福島以外の県でエコー検査を行って比較している。実際に手術したケースが87例にも上るので子供のがんとしては明らかに変だ。確かに被爆の影響のようである。原発のある地域の学校か保健所に無機ヨードを備蓄しておくべきだった。レポートでは福島内の被爆の少なかった地域と多かった地域との間で比較もしていてprevalence odds ratioが最高2.6倍(central middle district)である。意外にも福一に一番近いエリアは1.5倍である。事故のときの風向きで影響されたらしい。がんセンターの若年者の甲状腺がんデータ(2001-2008)をレファランスにすると(10万人あたり3例)incident rate ratioが20倍から50倍に上る。比較的汚染の少なかったいわき市でも38倍である。がんが検出されるまでの時間が推定2.5年とされるがチェルノブイリでがんが増え始めた4年よりやや早いので被ばく量がWHOの推定より多かったのかもしれないと示唆されている。18歳を過ぎてほかの地域に移住した人は検査から漏れているのでもっと多いかもしれない。また県立医大で手術した54例中40例にリンパ節転移を認めたというので必ずしも初期とは言えない。DOI:10.1097/EDE.0000000000000385