サザエさんその後

一軒家に大家族で住む磯野家が決して標準とはいえない時代になった昨今新しい時代の磯野家を模索するシナリオの検討に入った。波平とフネはガランとした一軒家に二人でくらしどちらが先に倒れて老々介護になるかと心配しながらも自立した生活を営む。マスオさんとサザエさんはタラちゃんと都心の40㎡2LDKに転居し、万年「ハイー」のタラちゃんにも受験の波は押し寄せる。カツオは就職して地方の支店に転勤となり、ワカメは大学の寮に移りバイトに忙しい。そんな家族が一同にまみえるのはSNSだが、外向きのいい恰好をしないといけない表面的な付き合いの世界では家庭内での打ち解けた話し合いなどできない…、とか思ったら、もはや現実の家庭の中が親密な関係を失っていてマスオさんとサザエさんもそれぞれ不安や問題を抱えながらお互い相談にのることを恐れている。むしろ見ず知らずの関係の中にいくばくかの解放を求めていくしかないのか?
タマは寿命を全うして鬼籍に入って久しい。