もうひとつの原発労働者

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

一部で批判もあるが実際に福島原発での作業に従事したルポ。最初は作業員の休憩のための施設の仕事で防護服の準備とかサーベイに携わっているが徐々に核心部分の作業に近づいていく。そうでないと手元にお金が残らないという切実な現実があるのだ。人集めでさる土木会社に雇用されはしたが実際の作業が始まらず住居費と食費の借金ばかりが増えていくため家族に仕送りするような金が残らない。多重下請けで6次にまで至る末端である。危険で「おいしい」仕事にはなかなか近づけないのだ。故郷を追われた福島の人たちには炎天下の防護服着用作業という別の意味で命に係わる低賃金の仕事ばかりが振られる。