酢酸がインスリン分泌を阻害

Loss of FFA2 and FFA3 increases insulin secretion and improves glucose tolerance in type 2 diabetes

Cong Tang, Nature Medicine 21, 173–177 (2015) doi:10.1038/nm.3779
短い鎖の脂肪酸のセンサーとなる分子がありFFA2とFFA3というGタンパク共役受容体である。これは酢酸に反応してGiを活性化し、β細胞のインスリン分泌を阻害する。(酢酸は膵臓のβ細胞の近傍で産生されるらしい。)全身またはβ細胞でFFA2とFFA3をノックアウトすると高脂肪食負荷時のインスリン分泌が改善する。一方腸に発現しているFFA2とFFA3だけをノックアウトしてもインスリン分泌には影響しない。著者らはFFA2とFFA3の阻害薬が糖尿病の薬になりうると主張する。とはいうものの、それって新たなインスリン分泌促進剤ということだからすでにインスリン抵抗性で過剰分泌になっている膵臓には新たな負担になるだけかもしれないが。