偽の歴史

「ピピンの寄進ていうのはローマ教会の流した偽の歴史なんだってね。」
「なんだっけそれ？」
「法王領にちゃんと歴史的根拠があるっていう理屈だよ。フランク王国のピピンがローマ教会に寄進したという伝説だよ。」
「ちょっとググってみるか。いや、ピピンさんの方は事実みたいだよ。教皇領関係だとコンスタンティヌスの寄進状が偽作だっていうことになってるよ。日本の世界制覇の野心を表した証拠だって中国が主張する田中上奏書みたいなもんかな。」
「文書だけならいくらでも偽物がつくれてしまうから何か物的な根拠を要求する必要があるね。」
「どうかな？？結局現象に意味を与えていくのが人間になるから物的な証拠といってもどうにでも解釈されてしまわないかな？」
「中世では肉を食べてはいけない金曜日にどうしても肉を食べたい坊さんがビーバーは尻尾に鱗があるから魚だと主張していたようなものかな。」