アディポネクチンはエネルギー消費を落とす?

Diabetologia
May 2014, Volume 57, Issue 5, pp 1027-1036
Adiponectin reduces thermogenesis by inhibiting brown adipose tissue activation in mice
Liping Qiao
アディポネクチンは善玉アディポサイトカインということになっている。脂肪組織が痩せている間はアディポネクチンの分泌がよく、肥満してくると分泌が減る。アディポネクチン自身がエネルギー消費にプラスかマイナスかをノックアウトマウスで調べてみるとアディポネクチンノックアウトマウスの方が深部体温が高い。アディポネクチンの受容体であるAdipoR1とAdipoR2は褐色脂肪細胞を活性化するが、10日間の寒冷暴露後ではアディポネクチンノックアウトマウスの方が脱共役タンパクのUCP1の発現が多い。つまりアディポネクチンはAdipoR1、AdipoR2を介さないメカニズムでエネルギー消費を抑えている。アディポネクチンが褐色脂肪細胞のβ3アドレナリン受容体を抑制するためにUCP1の発現が減るのではないかと考えられるが詳細は明らかでない。