分岐鎖脂肪酸の腸炎阻止作用

PLoS One. 2011;6(12):e29032. Epub 2011 Dec 14.
Branched chain fatty acids reduce the incidence of necrotizing enterocolitis and alter gastrointestinal microbial ecology in a neonatal rat model.
Ran-Ressler RR, 未熟児は壊死性腸炎NEC)の危険性が増える。胎脂の成分による腸内細菌の違いのためではないかと仮説をたてた。胎脂をなめると分岐鎖脂肪酸(BCFA)が入る。ラットの胎児を予定日前にカイザーで出産させ母親に授乳させた場合と人工的に哺乳した場合、および人工哺乳にBCFAを混ぜた場合を比較した。低温や低酸素にさらすことでNECを誘発した。NECは母親の哺乳が最も少なかった。BCFAを添加するとNECが半減した。腸内細菌は16SRNAのパターンをシークエンスして決定した。母親が哺乳すると乳酸菌が大多数だった。BCFAは腸内細菌のBacillus subtilisと緑膿菌を増やしたが乳酸菌はむしろ減少した。腸粘膜で炎症を抑えるサイトカインのIL-10の発現がBCFAで増加した。