銀河の構造と気候変動

本来の明るさのわかっている星の光度から星の距離を計算しマップすると地球から見た恒星の位置が3本のバンドに並ぶことがわかった(1951年)これは銀河のスパイラルアームをとらえた最初の実測例だった。しかし銀河の中心部はガスが多いため可視光では観測しきれない。赤外線を使った観測で銀河の中心部の赤い巨星を同様に測定すると2万4千光年にわたって棒状に並んでいることがわかった。銀河の中心は球ではなく細長い棒のような形だった。さらにその奥を探索するためチリで障害されにくい電波望遠鏡で観測すると地球の近くのスパイラルアームが銀河の反対側まで伸びている姿を観測できた。日本の天文台石垣島と水沢、鹿児島、小笠原を結んだ電波望遠鏡のチームで星の速度を正確に測定し星の速度が銀河からの距離に関係なく一定であることを発見した。もしそうなら時間とともにスパイラルアームが消えてしまうと考えられた。これはスパイラルアームは常に同じ星で構成されるわけではないということで解決された。車の渋滞の列のように入ってくる星は遅くなり、アームを抜けると早くなって出ていくと考えると次々に星が入ったり出たりしながら一見同じ構造を保てるのだ。それからすると地球もスパイラルアームに入ったり出たりを繰り返しているはずだ。これは地質学的な調査から支持するデータが出た。腕足類の殻に含まれる酸素18の量を調べると1億4千万年ごとに気温が2度前後低下する現象が認められた。超新星爆発からの宇宙線が地球に降り注ぐと雲の核となる微粒子が増え、雲が多くなるため寒冷化する。スパイラルアームでは超新星爆発に多く出会うため寒冷化するというのだ。(BSプレミアム