カブトムシの角はインスリンレベルに強く反応する

A Mechanism of Extreme Growth and Reliable Signaling in Sexually Selected Ornaments and Weapons
Douglas J. Emlen http://www.sciencemag.org/content/early/recent / 26 July 2012 / Page 1/ 10.1126/science.1224286
カブトムシの角は生殖競争の時に優秀なオスであることを示すシグナルとして使われる。栄養状態がよいことを表すシグナルと考えられる。羽や足の長さも栄養状態に左右されるが角の大きさは不釣り合いなくらい大きい。これはインスリンIGF-1のシグナルに対する反応がとくに角において増大しているからだという。カブトムシの幼虫が蛹に変態する直前にインスリン受容体に対するdsRNAを注射してインスリン受容体の発現を減らすと羽のサイズは2%ほど小さくなるが角はその8倍の16%も小さくなった。いっぽう性器のサイズはかわらなかった。インスリンシグナルは栄養の良しあしに影響されるが、それが特に強調されて現れるのが角、ということになる。大きな角を持つこと自体はそれほど大きなコストを要しないとのことで、「余計なものを持っていてもやっていけるほど優秀」ということを示す「ハンディキャップシグナル」というよりは、栄養状態をより敏感に反映することで「指標シグナル」として機能しているのではないか?との結果。
例えば進学校の学生がUFOキャッチャーの景品をたくさん集めていたりするのは「オレは遊んでいても優秀なんだぜ」というハンディキャップシグナルなのか「勉強だけじゃなくゲームでも器用なんだぜ」という指標シグナルなのか?