ムリキ

ブラジルの大西洋岸の森にすむ大型のサル(10㎏くらいある)のムリキは争いをしない。30mほどの林冠で暮らしている彼らは地上に降りることを嫌う。木と木の間が離れていて直接わたりにくい時は大人3頭の体重をかけて木を大きくしならせ隣の枝をつかむ。たくさん実のなっている枝に取り付いている個体がいると代わってほしい個体がやってきて体を触る。代わってくれると「ありがとう」というようにわざわざスキンシップしに行く。親から遅れた子供が木と木の間が空きすぎていて跳べないでいるとあとから来た大人が体重をかけて木を大きく揺らし、近づいたところで子供が飛び移る。かなり高度な知性と共感力である。チンパンジーもジュースに手が届かないときに木の棒を使いたい個体がいると渡してやることがあるが、直接お願いされないと渡さない。ムリキは日常的に協力・譲り合い・助け合いを必要とする社会を構成しているようである。(BSプレミアムワイルドライフによる)