KBB5

「マスター、トマトジュース。」
「はい、じゃあお猪口で。」
「セオハヤミはこの間惜しかったね。」
「つい昨日グチって行かれましたよ。」
「何となくそうなりそうな気がしたよ。」
「どうしてです?」
「レース前にね、一口だけ血をいただくんだ。その味で、何となくイラついてるなとか、わかるんだよ。」
「へえー、そうなんですか?」
「僕とダニエルでレース予想のデータを集めてるのさ。ダニエルは馬のオシッコの匂いで体調が分かるからね。」
「今度機会があったら教えてくださいよ。」
「ダメダメ、ばれたらアブ取りを仕掛けられちゃうから。」