食べ物による腸の免疫のコントロール

Diet and Intestinal Immunity Herbert Tilg, M.D. N Engl J Med 2012; 366:181-183January 12, 2012 Aryl hydrocarbon receptor (AhR)はArntとともに食物由来の物質に反応して種々の遺伝子の転写を促進する。AhRはダイオキシンの受容体でもあるが、食物ではキャベツの仲間の成分に反応する。またアミノ酸トリプトファン代謝でできるキヌレニンにも反応する。AhRによる刺激でレチノイド受容体の一つRORγt陽性のリンパ球ができて、これがIL-22を出す。腸内の細菌をコントロールするペプチドのディフェンシンの分泌にはこれが必要である。AhRのノックアウトマウスでは腸のリンパ球の濾胞がうまくできない。炎症性腸疾患の対策に重要である。一方がん細胞のあるものはキヌレニンを放出するが、これはがんに対する免疫を弱める作用を持つ。