暇つぶしのお話20

「”こんにちはアロケ・イバです”」
「あれ?シノメ・キボコ師匠はどうしたの?」
「”それなんですわー。なんでも今度ナショナル・インスチチュート・オブ・パフォーミング・アートやらいうなんか高級そうなもんが出来て、そこの教授にならはったんやってー”
”まあー師匠から教授やなんてえらい御栄転やわー”
”なにゆうてんのん?あんた師匠より教授がえらいとでもゆうてんの?”
”ちゃいまんの?国の次代を担う若人を育てる仕事でっしゃろ?”
”何もわからんピヨコちゃんにもの教えるのかて大変なことなんやで。それに比べたら芸術の分かる王様の前で御笑いをお見せする方がよろしやないですか?”
”そしたら私ら師匠より出世したん?わあー感動やわー。もう自分をほめてあげたい。何か買ってチョウダイ!”
”何ゆうてんのん!なんで相方のワテがあんたに買ってあげなあかんの?もう堪忍やわー”」
「なんか芸風が違う気がするけど、この人らシノメ・キボコさんらの弟子なの?」
「いや、芸人の世界では先輩はみな師匠と呼ばれるんだよ。見て盗むのは勝手だからね。」
「そうかーでもシノメ・キボコ師匠は王様に飽きられたの?」
「そうじゃなくてね、流通が良くなったためにかえって零細農家が没落したのをやんわりとネタにしたのをキネントスに睨まれて飛ばされたんだよ。」
「余計なことを王様のお耳にいれるなってわけね。」