ブラックジャック誕生

なんとなくナニワ金融道を思わせるある意味「濃い絵」でまさしく「濃い人」だった手塚治虫を描いた怪作。1作を作るのに4つはネタをつくって編集者に「どれがいい?」と聞いていたとか、原稿が落ちるギリギリなのに空気の読めないアシスタントに「いまいち…」と言われると「8時間下さい」といって書き直したりとか仰天する話がいっぱい。1980年に漫画の大会でアメリカに行っていた時もスピーチの時間以外ホテルで原稿を描いていたり、国際電話でアシスタントにコマ割を指示して背景だけ描かしたりとか。その背景の指示の仕方も「第○話の何ページに校舎の絵が出てくるからそれを」とか過去の原稿がすべて頭の中にデータベース化されているというから凄い。