暇つぶしのお話6

「小国で育ったアモスは大きな国の権力争いにはうといところがありました。」
「いろんなかけひきとかできないってことだね。」
「アリオリの国では養育かかりだったキネントスの勢力が有力でした。キネントスは巧みな贈り物でアモスの歓心をつかみました。」
「下心とか見抜けなかったのかな。」
「素直な人だったんだね。他人も自分と同じと考えるタイプだな。」
「ある意味いやな人にならないと大国の王妃とか務まらないね。」
「並み居る貴族の中でキネントス家の勢力はひそかに伸長していきました。」
「王様のアリオリがちゃんと見張っていればいいんじゃないの?」
「それがアモスの魅力にメロメロで大甘になってしまったんだね。」
「困った人だね。」
「こういうのを”傾城”っていうんだよ。」
「なんなのそれ?」
「国を傾けさせるほどの美女っていうことかな。」