メトフォルミンはがんを減らす?

Bo S., Ciccone G. et al. Cancer mortality reduction and metformin. A reterospective cohort study in type 2 diabetes patients. DOI: 10.1111/j.1463-1326.2011.01480.x
メトフォルミンは心血管イベントを減らす事は知られている。メトフォルミンはAMPKを活性化するのでカロリー制限をしたような効果があるのかもしれない。ところでがんは減らすのか?Turinで1995年にクリニックを受診したがんのない2型糖尿病患者3685名を平均4-5年フォローして死亡原因を調査した。メトフォルミンでは全ての死亡は9.2%、がんによる死亡は1.6%だった。スルフォニルウレア剤ではそれぞれ13.1%と3.0%、インスリンでは26.8%と4.8%だった。メトフォルミンのみで治療できる患者は糖尿病でも初期の方か、軽い方なのでインスリンを使用しているというのは経過が長いことを表すのかもしれないがかなりの差だ。メトフォルミンを5年使用するとがんの死亡が0.73倍になるが、インスリンを5年使用するとがん以外の死亡が1.25倍になる、という。