心不全、心房細動は手術に際して冠動脈疾患より危険かも

Mortality and readmission of patients with heart failure, atrial fibrillation, or coronary artery disease undergoing noncardiac surgery: an analysis of 38047 patients. doi:10.1161/CIRCULAIONAHA. 110.011130
冠動脈疾患に比べて心不全（HF)、心房細動（AF)は手術の際のリスクとして重視されていなかった。心臓以外の手術のあと30日後の死亡率を調べた。虚血性心不全（IHF)12249名、非虚血性心不全（NIHF)7700名、冠動脈疾患13786名、AF4312名について1999年から2006年の間に心臓以外の手術を受けた人の死亡率はIHF9.2%、NIHF9.3%、AF6.4%で冠動脈疾患の2.9%より高かった（P<0.0001)。大きな手術でない小手術でも死亡率はNIHF8.5%、IHF8.1%、AF5.7%、と冠動脈疾患の2.3%より高かった（P<0.0001)。多因子で補正を行っても心不全とAFは冠動脈疾患より死亡率が有意に高かった。
高齢化社会では心不全が増える。日本では冠動脈疾患は米国より少ないが心不全やAFはふつうにあるので要注意だ。