推定GFRの限界

腎機能の変化を追跡するのに推定GFRはどれくらい使えるか?クレアチニン値や体重、年齢から推定GFRを計算する式がMDRD、CKD-EPI、Cockroft-Gault(CG)といくつかある。125I-iothalamateを用いたもっとも正確なGFR(I-GFR)と比べてこれらの計算式がどのくらい使えるか検討した。腎動脈の硬化による腎障害に血管拡張療法を行った場合にどうかを検討した。1998年から2007年に254名の患者に541件のI-GFRを行い調べた。I-GFRにくらべて推定GFRはI-GFR<60ml/minを検出するのには感度がよく、特異性もほどほどだった。しかるにI-GFRの20%の低下を評価するには推定GFRは感度が悪く信頼性も不良だった(特異性だけはよかった)。したがって腎機能の経時的な変化を問題にするような研究のエンドポイントに推定GFRを利用するのは問題がある。Madder RD. Circlation Intervenions doi: 10.1161/CIRCINTERVENTIONS.110.960971, 2011