脳のグリコーゲン

脳にはグリコーゲンはたまっていないというのが生化学の教科書では一般的だった。しかし脳にもグリコーゲンは少量ながらある。神経細胞ではなくグリアの星状細胞(アストロサイト)がグリコーゲンをためていて低血糖の際など危急の際にはこれを分解して乳酸にして放出する。神経突起(アクソン)の細胞膜のモノカルボン酸トランスポーター(MCT)を通じて乳酸が神経細胞に取り込まれてあとは好気的代謝でエネルギーにかわる。寝ている間にはアストロサイトのグリコーゲンが増え、目が覚めると減っていく。もしかしたら起きて活動が活発になるときの火つけに関係しているのかも。寝覚めの悪い人はアストロサイトのグリコーゲンが足りないのかもしれない。