困ったら開けろ17

「ブランドもののバッグとか宝石ならわかるんですが、レアな化石をほしがる人ってどんな人なんでしょうね?」
「誰でも人と違うものを持ちたいっていう気持ちがありますでしょう?」
「同じものを持ちたいという人もいますけどね。」
「それはふつうの人の話で、たとえば常識では考えられないほどのお金があったりすると、この世に二つとないようなものがほしくなるんですよ。」
「あーなんとなくわかりました。美術品とか有名人が身に着けていた服とかビンテージもののクラシックカーなんかそうですよね。」
「そのほか普通にはできない体験もそうですね。たとえば宇宙旅行とか。」
「そうですね。1億出せば宇宙につれていってやると言われてもだせる人ってまれですよね。」
「私もね、こういう商売をやっていますのでこれからは日本でも一部のセレブにアピールする超ビンテージの商品にニッチな市場ができると期待しているんですよ。価格が一桁違いますからね。」
「でもそういうのってオープンなネットの市場に出てこないでもっとクローズドなものじゃないですか?」
「実は名前は明かせないんですが、うちの顧客のおひとりにそういうセレブな方がいらっしゃいましてね、その方の依頼で今回は動いているというわけなんです。」
「例の化石の持ち主ですか?」
「いえ、もっと珍しいものをお探しで。」
「なんでしょう?もし伺ってよければ?」
「『イーダの妹』です。」
「『飯田の妹』?」