骨髄性の貧血の治療にアナボリックステロイドはどの程度有効か?

Shimoda K., Shide K. et al. The effect of anabolic steroids on anemia in myelofibrosis with myeloid metaplasia: retrospective analysis of 39 patients in Japan. Int J Hematol 2007; 85: 338-343
1999-2005年に285名の骨髄異形成(myeloid metaplasia)を伴う骨髄線維症の診断を受けた患者のうち162名に貧血を認めた。Hbが10g/dl未満は197名であった。55名がアナボリックステロイドの治療を受けた。Hbが1.5g/dl以上増加してHbが10g/dlを超え輸血の必要がなくなったものを反応「良好」、Hbが1.5g/dl以上増加して少なくとも8週間輸血の必要がなかったものを「限定的」反応とすると「良好」または「限定的」反応は44%に認めた。治療前の輸血の有無、Hb、細胞の異型性の程度は反応性と相関しなかった。アナボリックステロイドの副作用は重度のものはなく一時的だった。投薬中止は2名で必要だった。
Cervantes F., Alvarez-Larra'n A. et al. Efficacy and tolerability of danazol as a treatment for the anemia of myelofibrosis with myeloid metaplasia: long-term results in 3 patients. Br J Haematol 2005; 129: 771-775
骨髄異型性のある骨髄線維症の貧血にアナボリックステロイドがどの程度有効か調べた。30名の患者に600mg/dayのダナゾールを服用してもらい、効果があれば6か月以後有効な最少量まで減量した。輸血が不要となりHbが正常化した場合を有効、Hbが10g/dlを超えHbが1.5g/dl以上増加して少なくとも8週間輸血不要になった場合を部分的有効とした。平均追跡期間20.5か月で37%(11名)の患者で有効であった。効果が認められるまでの期間は中央値で5か月だった。4名は6-24か月で効果が認められなくなり、2名は副作用のため中断した。5名はずっと有効だった。輸血の既往がないことおよび投与開始前のHbの高いことが有効性と関係した。副作用は軽微であった。
注!:PubMedでとりあえず見つけた論文というだけなので偏りのないレビューではありません。