空き時間

「今待ち時間?ちょっと話していい?」
「いいけど、何?」
「このパソコンのメモ帳に短いお話書いているのあなたでしょ?」
「え?なんでわかったの、いや、違う、なんでそう思うの?」
「あなた以外にそんなことしそうな人いないでしょ?」
「そう?人は見かけによらないよ。」
「見る人が見ればわかるのよ。」
「ふうん?文章にも指紋があるとでもいうのかい?」
「そうね、形式としては文章の切り方とか、単語の選び方とか。」
「でも決め手にはならないでしょ?」
「やっぱり独特なアイデアとか考え方かな。そんな変なこと思いつく人限られてるよ。」
「いやいや、世の中には君の思いもつかないほど変な人がいっぱいだよ。」
「たとえば?」
「ユアグローの短編読んでみなよ。」

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

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