blood oxygen on top of the world

Grocott M.P.W., Martin D.S. et al. Arterial blood gases and oxygen content in climbers on mount Everest. New Eng J Med 2009; 360: 140-149
酸素の本を読んでいたら1年前のNEJMの記事を思い出した。携帯式の血液ガス分析装置を持ってエベレストに登頂し、動脈血のガス分析を行うというもの。仲間の死体ですら置いてきたくなるような極限の環境でよくそこまでやるものだ。それによると7100mまでは動脈血の酸素濃度はさほど低下せず1リットルあたり197.1mlある。これが8400mまで上ると145.8ml/Lまで下がる。8400mでは気圧が272mmHg(363HPa)、吸入気中の酸素分圧は24.6mmHg(19.1-29.5)、CO2分圧は13.3mmHg(10.3-15.7)となる。肺胞と動脈の酸素分圧の差は計算上5.4mmHgとなり、肺がいくぶん浮腫になるからではないかと考察している。