CGMSによるCCUでの血糖コントロール

心筋梗塞の患者の血糖を正常に近く維持すると予後がいいことが知られているが、低血糖を起こさず血糖を維持することが容易でない。通常の血糖測定器で定期的に血糖をモニターしながらインスリンの注入速度を調整する方式ではICU入院患者の予後は改善しなかった(NICE−SUGAR研究)。持続血糖モニターシステム(CGMS)を用いたインスリンポンプで血糖を下げると低血糖の危険なしによい血糖を維持できるか?についてパイロット研究が行われた。20名の心筋梗塞患者を通常の血糖測定による持続インスリン皮下注射療法とCGMSによるデータからアルゴリズムで皮下注入速度を変える方式(Sensor-augmented pump、SAP)を比較した。CCUで血糖をコントロールした時間は44-47時間であった。血糖が140以上の時間は通常法で36.3%、SAPでは14.6%だった。血糖が70mg/dl以下の時間は通常法ではなし、SAPでは8.9%だった。
Diabetes Technolory and Therapeutics 2010; doi: 10.1089/dia.2010.0023