残すべきインフラは何か?

日本人の生産性がたとえばアフリカのどこかより高いとすれば、能力や努力もさることながら、仕事をしやすくするインフラが整っていることが大きい。交通網がなければ東北の田舎に工業団地を誘致するのも無理だし、いたみやすい果物を大都市に出荷するのも容易ではない。インフラを作るための投資は過去の現役世代の稼ぎから支出されたものだが、当時はこれが回りまわってまた現役世代の収入になるという構造だった。現在高収益が狙える投資先が海外ということになってしまうと、日本国内の生産性の伸びが鈍くなってしまうので日本の成長はインフラ投資がさかんな途上国・中進国より低くなってしまう。未来の世代の生産性を上げるために今国内で整え、蓄積すべきインフラが何かというと、イノベーションを促進するための様々な制度の改革と柔軟性のある教育だろうな。しかし、いったん自分がエスタブリッシュしてしまったひとは現状を変えたくないのだ。