タム

「最近お話してくれなくなったね。」
「そんなことないさ。なぜ?」
「この間の続きどうなったの?」
「ある程度話すと整合性を保たないといけないから、いいかげんな話ができないんだ。」
「それがうそつきの極意?」
「たとえば、レバトール兄が犬のスクロッタムをつれて散歩に出た、というような話だと、弟はどうしたのか、とか、犬の種類は何かとか、全部つくっていかないといけないわけだよ。」
「ふむふむ。そのタムちゃんというのはどんな犬?」
「そうだな、小さなブルドッグでほっぺたがたれてプルプルして、額のしわがかわいい、というとこかな。」
「それで兄はタムちゃんとどこへお散歩?」
「これからつくるさ。」