赤血球のDNAの分解

通常、成人の赤血球には核がない。分化の過程で核が無くなる。この脱核した2000億個/日の核には約1gのDNAが含まれている。最終的にマクロファージに取り込まれて分解されるが、分解の過程が傷害されると裸のDNAが細胞内に残る。これはパターン認識受容体で検出され炎症のもとになる。DNA分解酵素のDNaseⅡが欠損すると、赤血球のDNA処理が追いつかずSLEのような自己免疫症状を呈したり、関節炎、貧血を起こす。乳腺の管の中に分泌され、残ったミルクの脂肪は乳腺上皮細胞から分泌されるMFG-E8の作用で上皮細胞に取り込まれ分解される。この過程が傷害されると乳腺炎が起こる。
Nagata S, Hanayama R and Kawane K Autoimmunity and the clearance of dead cells Cell2010;140:619-630の一部