掃除機がお手柄(フィクション)

S市の消防署はこのほど主人の急変を通報したロボット掃除機Iを表彰することとなった。このロボットは部屋に通常の配置と異なる障害物を検出した場合AIスピーカーに報告する機能が組み込まれている。独り暮らしのY氏は〇月〇日のよる風呂上りに発作を起こし床に倒れこんでしまった。このときたまたま掃除の時間にあたっていたIはソファーの下の見慣れない障害物をAIスピーカーに報告した。AIスピーカーはエアコンの赤外線センサーを作動させ「それ」が何か暖かいものであることを確認して救急通報した。救急隊の側では送信されたデータから救急の可能性のある事例であることをAIが判定し出動にこぎつけた。事例の蓄積により「真の急変時」に威力を発揮するアルゴリズムは日々洗練を加えている。