ふるさと創生事業

ふるさと創生事業というのでお金が交付されてもアイデアがない自治体ではコンサルに丸投げで地元に本当に有効な結果が残らない。そこで全国一律のパッケージにしてコンサルの取り分を実質ゼロにしつつ、地元ならではの味のでる事業例をプールすることになった。事例としては街自体を仮装させてファンタジーの空間を演出する案が一例である。さびれた商店街を世紀末風に脚色してディストピア感満載の舞台にするとか、架空の王国の国境の町として衛兵が駐屯しながら昔ながらの日本料理店が共存する「居酒屋のぶ」の実写版とか。架空の文豪が一人住まいをしている町で文豪が行きつけのお店といったストーリーを楽しむとか。
「ここの旅館の離れに文豪の菜詰壮積が滞在して名作”君の縄”を書いたんですよ。」「菜詰先生はいつもここの席でカツどんとビールを飲まれていました。」「ここが文豪行きつけの温泉です。」「あのー、失礼かもしれないですが菜詰さんの本を読んだことがないんですが?」「大丈夫ですよ。”坊ちゃん”を全然知らなくても道後温泉は楽しめるでしょ?」