夢を捨てよ、街に出よう

アキラ(仮名)は宅配の仮採用になって1週間目だ。ピンポン
「宅配でーす。受け取りお願いします。」
出てきた顔色の悪い女性は今起きたばかりのような顔をしている。
「すいません、お休みのところ。朝から回らないと終わらないもんで。」
「え?あ、私も時間指定してかなったんでいいです。」
ハンコをもらうときに袖がまくりあがったのを見るとリストカットのあとが多数ある。
「ありがとうございました〜」と次の配達に回りかけるが荷物が何だったのか気になる。中身が何か聞くのはプライバシーにかかわるが、一般的な女性の服とか、くつ、化粧品ではなさそうな重さなのだ。いや、そんなことにかかずらわっている場合じゃない、早く次に回らないと。