要らないもの

要らないものなのにほしくなるものなどあるのか?実用性はないが何となく愛着がある、持ってみたいというゲーム内のアイテムのようなもの。自分の嗜好性がこういうものだということを表現する記号として人は様々なもの・サービスを消費する。SNSでは「こんな変わった経験をした」というエピソードが花盛りだ。してみれば、消費される記号は何かしら「人に見られる」必要があるのかもしれない。そういう観点からするとたいていのものは所有する必要はなく、人に見せるためだけに借りてくればいい、という性質のものかもしれない。例えば結婚式の衣装など普段着ないいでたちをした経験は金を払うに足りるものだが、公式に認められているのは実際に結婚をしたときくらいに限られている。近年これがコスプレを楽しむ世代には開放されているが、一般化されれば「豪華な衣装に対する借用需要」が新たに成立するかもしれない。「七五三」の代わりに適当な年齢になったときに「なってみたかった自分」に扮してパーティーなどしてみるのも一興かもしれない。