シャインダー

人間よりもコンプライアンス順守が忠実でメンタルにもタフだという理由でロボットを正社員にする会社が増えている。このため正社員になりたい人間の中には自らサイボーグ化してロボットと同化を試みるものが現れてきた。イチローはそのような社員の一人としてシャインダーとあだ名されていた。ロボットの中での正義と人情(?)の合間の軋轢に悩む彼は非正規社員を「適正」に管理することに疑問を感じる。そして休憩時間ともなると屋外にタバコを吸いに出かける。明らかに有害とわかっている嗜好品を止められないことにささやかな人間としての抵抗の意義を感じるイチローだった。しかし古くはロボットに記憶を移しただけで生体のかけらも残っていないエイトマンが「強化剤」を必要としていた設定は古すぎて彼の記憶の外であった。