燃える

「じゃあどうしても君とは分かり合えないってことだね。」
「何言ってんの、男と女なんて初めから終わりまでバカしあいじゃないの?お互いの利益が一致したから付き合って、縁が切れたらさようなら、ってあたしの国では当たり前よ。」
「(そんなことは神が許すとでも思っているのか?という目で)わかったよ。塵から生まれ灰に帰る身、今ここで二人の記憶を無に帰そう。」
そう言って男はボトルを取り出し女と自分に振りかけた。幸いなことは液体の量は二人を焼き尽くすのに足りる量だけに正確に計量されていた。
もしも二人がここで分かり合えたら?