砂時計

「この間夢の中で砂時計がたくさん並んでいるところに行ってね。」
「その砂時計が一人ひとりの人生って仕掛けかい?」
「どうもそうみたいなんだが、ちょっと違うのは上の砂が落ちるにつれて何か形のあるものが出てくるんだ。」
「砂の中に埋もれているものが見えてくるんだね?」
「そうなんだ。それで、落ち切ったものを見るとあるものは輝く星の形をしていたり、正12面体のような幾何学的な多面体だったり、ハートの形だったり、小さなドラゴンだったり、いろいろなんだよ。」
「なんか一生をかけたガシャポンみたいで、どんなのが出てくるかわくわくするね。」
「それがね、途中まで見えてきたところでひどく醜悪なものが見えてくることがあるんだよ。」
「どんなの?」
「ゴブリンみたいなのとか、それでもまだいい方っていうぐらいなんだかわからないくらい崩れたものとか。」
「もう最後まで見たくないって?」
「そういう時は途中まで落ちたのをひっくり返して人生を引き返しながら最後に向かってもいいらしいよ。」
「君はどっちだったの?」