終わることのない…

夜店でおはじきを買った。この時代におはじき?と言われるかもしれない。色のついたガラスの小片をメダルのように平らにしたものだ。ふつうと違うのは一般のおはじきが50円玉くらいのサイズとするとこちらは500円玉くらいあることだ。片面は深い緑色をしていて片側が漆黒。反対側は桜色から緋色さらにバーガンディーのような深い赤に変わる。売っていたおじさんに聞いた。
「これって何にするもの?指ではじくにはちょっと大きいけど?」
「ああこれ?遊ぶものじゃなくて見て楽しむものじゃけん。」
「どこが楽しいの?」
「いいかい?こっちの面が”終わることのない愛”、そいで反対の面が”終わることのない呪い”なんじゃ。毎日思いを込めてしっかりのぞき込んだら実現するかもしれんよ。」
「なんかインチキ臭いなー。」
「まあ信じない人には何事も成就できんよ。」
「いいわ、話半分で買ってあげる。」
というわけで今これが私の机の上にある。毎日のぞいているとなんとなく赤い方が動いて反対側へ広がっているような気がする。聞いた覚えではこっちの側が”終わることのない愛”だったと思うけど緑の方が見ていると心が落ち着く気がする。聞き間違えだったのかしら?