money and history

ユ吉君は3人兄弟の真ん中で兄はヤ彦、弟はヨ志男に挟まれている。おとなしいユ吉君は悪ガキの多い小学校ではいじめられがちだ。先日もユ吉君の写真を勝手に折り曲げて「ユ吉笑った〜」とか「ユ吉泣いた〜」とか言って遊ばれている。先生は「周りの子はただ面白がっているだけでも本人にとってはひどいいじめと感じることがあります。人の写真を勝手にいじくらないようにしましょう。」と訴えている。ユ吉君をひそかに応援しているのが一葉(かずは)だ。一葉は水商売の母親と弟の3人暮らしで家計を助けるためにティッシュ配りのアルバイトをしている。小学生にアルバイトをさせているのがばれると禁止になってしまうので、先生とかやばそうな人を見かけるとさっと隠れるのが得意だ。「新聞配達で家計を助ける小学生は褒められるのにティッシュ配りはいけないなんて絶対新聞社の横暴だ」と思っているが口には出さない。権力には抵抗しないのが一葉のモットーだ。野口君はお調子者で憎めないたちだが、お金にいい加減なので一葉はよく思っていない。給食係だったときみんなから集めた給食費を課金ゲームにつぎ込んでしまったことがあって、それ以来「ヒデーヨ」があだ名になっている。こんな3人が将来お札になるような偉人になろうとは?まあ、ならないだろうな。