永遠の美

女王は永遠の美を求めて魔法使いと取引をした。透き通るように白く、スベスベ、ツヤツヤの肌を永遠に、というのだ。取引は成立した。女王は70歳を過ぎてもしわ一つなく、透明感のある肌を維持した。ただ、女王に触れられた臣下はその指が陶器のそれのように冷たく硬いことに気づいた。90歳を過ぎてなお君臨した女王はある日玉座から降りるときにわずかにつまずき、転ぶとともに粉々に砕け散ったという。女王が美と交換に魔法使いと何を取引したかは不明である。