何かするのが怖い

「変化を恐れるのは誰にもある傾向だ。現在がとても苦しいのなら一か八か変化を求めるのはありだが、とりあえずの現状に満足している人にはあえてそれを変えようという感覚は持ちにくいだろ?」
明治維新のときに攘夷を叫んでいた藩は下級武士も含めてそれが正義と信じていただろうしね。終戦の時に玉音放送のレコードを奪取しようとした陸軍兵士もそれが正義と信じていたのだろうね。」
「敗色濃厚な時期に徹底抗戦が正義と信じるのは無理筋に見えるけど、それしか思考の枠組みがないひとには当然のことだよ。」
「現在の比較的平和な日本の社会を維持するためにはどうしたらいいのかな?」
「現在に満足した人は”何かする”ことを怖がるんだ。”何かした”がゆえに困った結果になることを恐れるんだよ。予防接種による副作用を恐れる心理と同様だね。」
「不作為の故の困った現象は自分に責任がないと考えられるから”仕方がない”とあきらめられるんだが、”何かした”故の不都合な現象は”誤った判断で余計なことをしてしまった”という後悔が入るが故に余計に痛く感じるんだね。」
「ある種の行動経済学的法則の一部ともいえるかな?」